山々に囲まれ、温泉と豊かな自然が隣り合う山中温泉。ここには、地域の人々とのつながりや、昔ながらの暮らしの知恵が今も息づいています。
今回お話を伺ったのは、山中温泉を暮らしとアーティスト活動の拠点にする堀江美佳さん。自然の中で手を動かし、地域の人と交流し、温泉に浸かる。そんな日々の暮らしそのものが、創作や活動のフィールドになっています。
堀江美佳さんの目に映る、山中温泉の魅力と日々の暮らしを伺いました。
希望していた古民家が、たまたま山中温泉地区にあったのがきっかけです。真横には、小川が流れていて、裏手の山には探していた和紙の原料が自生していた区域でもありました。また最初に話した近所の方がとても友好的だったので、山中温泉への移住を決めました。
自然に囲まれていて、和ハーブの宝庫なので、薬草茶は買ったことがありません。桑、クロモジ、よもぎ、どくだみ、和ハッカなど… 最近では虫除けスプレーも手作りしています。
温泉街の中心に公共温泉があり、年間パスを買うと毎日好きな時間に入れます。どんなに疲れても、温泉に入るだけでリフレッシュ!通っていると友達とも会えたり、新しい友達も作れます。
元々数件しかない小さな集落なので、結束力が強いです。町内の草刈り、掃除、冬の雪かきなど、町内の行事には出席率がほぼ100%ですが、皆が家族のように仲が良いのが魅力です。
山の恵みを生かした暮らしの知恵をもっと地元の人々から学びたいと思っています。
完全に移住しなくても、観光で訪れてくれる方々も地域のつながりや持続可能性にとても大きく貢献してくれています。観光と地元の人々の暮らしがさらに深く結びつき、毎日がより楽しくあふれるようになると素敵ですね!
集落や地域のつながりを大切にして、昔ながらの暮らしを教えてくれる人がたくさんいます。
同世代の人でUターンやIターンの人が多く、海外からの移住者率も高いので、年を重ねるごとに多様性が尊重されてきているように感じます。
山間部では農業やものづくり、温泉街では観光業が盛んなので、両方を自由に活動の場にできれば、とてもユニークな暮らしができると思います。
決まったスケジュールはありませんが、朝起きたら散歩や畑の手入れ、庭の手入れなど、30分から1時間ほど無心になって体を動かします。
雨の日の朝は、家の中の床を僧侶のように隅々まで拭いたりしています。
朝食後、すぐに今日の流れを確認し、制作をしたり、仕事の来客を迎えたりして、メールは先に届いた順に返事をし、1日の終わりに経理仕事を済ませて夕方には全て終わります。
その後は温泉に入り、収穫した野菜があれば早速料理して、夜は自宅でゆっくり過ごします。お天気が良ければ、玄関に少し出れば、降ってきそうなほど満点の星空が楽しめます。
地域の行事に積極的に参加し、交流の時間を大切にしてください。
温泉地区に引っ越してきたのに、温泉に入らないのはもったいないです。普段の生活の中でぜひ活用してください。
お話を伺って印象に残ったのは、山中温泉での暮らしと、アーティストとしての活動が自然につながっていることでした。
自然の恵みを暮らしに取り入れ、地域の人から昔ながらの知恵を学び、温泉で心と身体をほぐす。山間部での農業やものづくり、温泉街の観光業など、さまざまな場所を活動のフィールドにできることも、山中温泉ならではの魅力なのかもしれません。
「どこで暮らすか」と「どんな活動をするか」は、必ずしも別々に考える必要はないのではないか。暮らす場所そのものが、自分の活動や生き方を豊かにしてくれることもあります。
自然や人とのつながりの中で、自分らしい暮らしと活動を育てていく。そんな山中温泉での暮らしの在り方を、堀江さんのお話を通して感じることができました。